有限会社
松下工業所

むかしむかし、片山村(現在の新座市南部)に、松下藤吉という、腕のいいコンクリート職人がおりました。人呼んでコンクリとうちゃんといいました。
家は、少々の畑で農業をしていましたが、藤吉は、村の黒目川にかかる橋、神社の鳥居、井戸掘りなどを生業としておりました。藤吉には、6人の子がおりました。長男の正治は、弟の二郎とともに、よくコンクリとうちゃんについて行って、少年時代、井戸掘りの手伝いをしており、仕事の流れや水脈を見つける勘が体に身についていました。正治はやがて、弟の二郎とともに、松下の家業として、水道工事業を始めました。
新座町が新座市になった年、昭和44年2月、正式に有限会社松下工業所は、埼玉県に建築許可を得、新座市の上下水道指定工事店として、開業いたしました。
正治は、三人の子がありました。長男の誠はやんちゃで、妹のはる美と、父のダンプに乗せてもらい、お客さんのところへよくついて行ったものでした。お客さんは皆親切で、ランニングを着た小僧に、ふかしたさつまいもや、せんべいをふるまってくださいました。

時代は流れ、昭和55年、車好きで機械いじりが好きで、そういう仕事に就きたかった正治の長男誠(私)は、自分の将来についてさんざん考えぬいた末、父と同じ道を選びました。それから四十年近くの月日が経ちました。一言では語れない、嬉しいこと、辛いこと、様々なことがありました。
平成18年、誠は、ひとかたならぬ皆様方のお力添えにより、代表取締役に就任いたしました。これまでも、これからも、新座の水道とともに生きていきます。有限会社松下工業所を末永くご愛顧願います。